ストーリー



 結城はいつも通り美樹と一緒に、家路を歩いていた。


 その日は、ふと、途中で公園に寄り道して行く事にした。

 美樹と何気ない話しをしていると、美樹のリボンが強い風に吹かれ、公園の外に飛ばされてしまった。

 リボンはどこに行ったのかわからず、太陽が沈み、あたりは薄暗くなったため、結城は美樹と別れ、家に戻る。





 その夜、結城の家に一本の電話が鳴り響く。

 それは、美樹の死を知らせる電話だった。

 先ほどまで一緒にいた美樹の顔を思い浮かべ、信じられないといった様子で受話器を置いて、結城は美樹の家に向かった。





 美樹の家に着くと、そこには眠った様に横たわる美樹の姿があった。

 現実を受け入れられない結城はそのままその場を去った。




 その翌日、結城は美樹との思い出の場所を回っていた。

 そして、最後に美樹と別れた公園の前に結城がきた。

 その時、公園の中から風に舞って、一本のリボンが結城の足元に落ちた。

 そのリボンは間違いなく美樹が、あの時つけていたリボンだった。

 不思議に思った結城はリボンを拾い、何かに導かれるように公園内の足を踏み入れた。




 その瞬間、辺りの光景が一変し、目の前には美樹の姿があった。

 戸惑う結城に笑いかける美樹。

 美樹のしゃべる言葉、風景、そして、再び飛ばされるリボン何もかもが、昨日と同じ様に流れていた。




 ――昨日と同じ?




 そう、疑問に思った結城はわけがわからなかった。




 さっきのが夢なのか?

 今が夢なのか?

 それとも、両方、現実なのか?

 結城は葛藤の中で何を思い、決断するのか?




――切なく、悲しい、運命の糸を解く事ができるのか?